ATELIER-D / Works / N° 008

MAOIQ

Naganuma Vacation House.
— 日常の、圏外へ。

新千歳空港から車で25分、馬追(マオイ)の丘へとつづく一本道のうえ、林に抱かれた一棟貸切のバケーションハウス。 2014年、施主である武隈氏とともに企画から設計・施工までを Atelier-D が手がけた、北海道の収益不動産・一棟貸し市場が立ち上がるよりも先に建ち上がった、当社にとっての収益建築の原点です。

MAOIQ — 南面外観、ウッドデッキと大開口
MAOIQ / South elevation, wooden cladding and deck 01 / 05

家として建て、宿として開く。
暮らしの密度を、滞在へ手渡す。

MAOIQの本棟は、もともと施主である武隈洋輔氏自身の住まいとして 2014–2015 年に新築した一棟です。 その完成からほどなくして、隣接する建物が空くという縁から、武隈氏は自らはそちらへ住み替え、新築したこの建物を一棟貸切のバケーションハウスとして開くことになりました。 「日常の、圏外へ。」というMAOIQのコンセプトは、もともと自分自身が日々を過ごすために選んだ密度と作法を、訪れる人の滞在へとそのまま手渡す——そういう発想から生まれています。

建築は、馬追の丘に対して水平に伸びる屋根と、南面に開いた大きなガラス面で構成される。 木の縦張りの外壁、黒い金属屋根、足元のウッドデッキ。北海道の冬と夏の振幅をひとつの素材構成のなかに受け止め、シンプルなプロポーションのなかで「飽きずに何年も暮らせる」ことを最大の設計指標とした。

内部は、吹き抜けを軸に組み立てた一室空間。木造軸組の構造材を露出させた柱と梁、黒く塗装した鉄骨の階段、薪ストーブの直線的な煙突、コンクリートの土間の床。 素材それぞれの粒度を活かし、宿としての過剰な意匠を削ぎ落とすことで、結果として宿泊者がアンティーク家具や季節の道具を持ち込む余白が、たっぷりと残されている。

Atelier-Dにとってのこの一棟は、「設計の、その先まで。」というブランドコピーを生むことになった、最初の作品です。 図面を引き、建物を建てるところで業務が終わるのではなく、その建物が誰のために、どう使われ、どう収益を生み続けるか——そこまでを設計の射程に置く姿勢は、ここから始まりました。

本作はAtelier-Dが設計・施工を担当した MAOIQ本棟 についての記録です。 敷地内に並ぶ「MAOIQ komfort」「maoiqnokoya」、レセプション棟、近接するカフェ「koyamame roastery」は別の作り手による建物・運営であり、本作とは関係ありません。 施設の運営・予約はオーナーである MAOIQ 公式サイト(maoiq.jp)にてお問い合わせください。

Project Data

所在地
北海道 夕張郡 長沼町 加賀団体(〒069-1316)
用途
専用住宅 / 簡易宿所への用途転用 / Vacation House (single-building rental)
構造
木造軸組(黒鉄階段併用)/ Timber frame with steel stair
規模
地上2階/吹き抜けロフト構成
竣工
2014–2015
設計
株式会社 Atelier-D
施工
株式会社 Atelier-D
担当範囲
MAOIQ本棟(komfort・nokoya等は本作と無関係)
運営
MAOIQ(オーナー:武隈洋輔氏)/ maoiq.jp
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